フィードバックはいかにして生活を変えることができるのか(職場と家庭双方において)

フィードバックが多種多様に定義される今日、どのようにフィードバックセッションに臨めばよいのか混乱してしまいがちです。そこで私たちは、生物学者でHyper Island(ハイパーアイランド)の卒業生であるMalie Lessard-Therrienに、フィードバックの持つ力について聞きました。ここでは、フィードバックの力が職場と家庭の双方でどのように彼女の人生を変えたのかをご紹介します。

職場と家庭でのフィードバック

私は保全生物学の大学院を卒業した生物学者で、8年にわたり学術界に身を置いてきました。転職の旅は、コンピューターの前で仕事をすることに疲れ切ったときに始まりました。環境保護は私にとって身近なものであり、同時に自分が望むような影響を与えることができない立場にいるのだということも痛感しました。そこで、持続可能な開発の分野で企業と協働しようと決意したものの、まずはビジネスの言語を学ぶ必要がありました。これがHyper Islandとの出会いです。私はストックホルムでのBusiness Developer program(ビジネス開発者プログラム)に参加し、2020年12月に卒業しました。
 
Business Developer program(ビジネス開発者プログラム)では、毎月振り返りとフィードバックのセッションがありましたが、それ以来、私はHyper Islandのツールを家庭生活でも自分自身のためにも多用しています。
 
Hyper Islandでは、学生たちが1つの部屋に集まって、心理的安全性を形成するために、そしてお互いを知るために様々な活動を経験します。最初の週は私にとっては非常にハードで、私たちはあらゆる感情を経験しました。しかし最終的には、クラスの45人に対して、何年も前からの親しい友人たちよりもより親近感を感じる結果となったのです。たった1週間で、私はこの45人の誰に対しても完全に心を開くようになり、彼らが本当の私を知ってくれているという感覚になりました。これは目から鱗が落ちる経験でした。
 
最近ではフィードバックを通じて自分自身の家族の状況さえ改善させたのです!
 
コロナ禍に、兄一家は都会から、両親が住んでいる地方に移りました。兄夫婦はフルタイムで在宅ワークをしていました。両親はその間、まだ赤ん坊の甥の面倒を見ていました。同居して2週間後、それぞれの期待が満たされず張り詰めた空気が漂っていました。私にとって調和が大切なので、フィードバックセッションの進行役を申し出て、うまくいっていることや改善できることについて話し合いました。これがとてもうまくいき、私の家族は新たな関わり方を見出し、みんなが結果に満足したのです。
 
研究生活では、指導者と学生の間にも緊張感や利害の対立がありました。そこで私の学科ではフィードバックのワークショップを導入し、指導者とのコミュニケーションの取り方を学び、より円滑なコミュニケーションを図ることができるかを学びました。そして、学習とともに関係性も改善したのです。

私が考えるフィードバックの定義とその重要性

フィードバックには様々な側面があります。最初のステップは、自分が気づいた改善点を振り返ることです。その上で、善意をもって相手にフィードバックを伝えます。ここで注意したいのは、あくまでも「提案」であるということ。私はそう考えています。
 
私が参加したあるワークショップで、講師がフィードバックはギフトであると強調していたのを覚えています。
フィードバックというギフトは、あなたが相手に善意で贈るものなのです
 
私にとってフィードバックは常に善意に結びついているべきであり、自分にとって大切なことを相手に伝える方法なのです。また、相手が異なる背景、歴史そして文化を持っているために異なる意見や価値観があるということを心に留めておくことも重要です。多くの共通点を持つ家族同士でさえ出来事に対する見方は異なります。フィードバックをやり取りすることで、私たちがどのように機能し、どのように考えているかを理解する窓を開き、それによってより良い関係の改善に向けたお互いの関わり方が見えてくるのです。
 
私たちはHyper Islandでフィードバックを多用してきましたが、これが普段の生活の中でも使える、いかに重要なツールであるかを実感し、私はよりフィードバックを受けたがるようになりました。フィードバックはあくまでも提案であるということを理解することで、私はフィードバックというギフトを受け取ることができ、それを自分が好きなようにできるのです。フィードバックは必ずしも受け入れる必要はなく、それが自分の役に立とうが、自分には当てはまらないと判断しようが、相手のフィードバックに感謝して自分の道を進み続けることです。現在、私は以前よりも楽にフィードバックを受けることができるようになりました。

フィードバックの取り組み方(対面及びオンライン)

仕事面では、まさにプロジェクトを始めようとするときにフィードバックは特に有用です。というのも、事前にフィードバックセッションを計画できるからです。例えば、新たなチームで新たなプロジェクトを始める場合、物事がどのように進んでいるかを評価するために、およそ2週間以内にフィードバックセッションを計画するのが良いかもしれません。これはプライベートでも応用できます。例えば、あなたが新しいルームメートと住むことになったり新たな関係を始めたりしたら、どこかの段階でフィードバックの手法を活用することもできます。こうすることで、双方が意見交換の準備をして、うまくいっている点や改善点を把握することができるのです。
 
フィードバックの始め方は様々ですが、まずはあなた自身のことから始めてみましょう
 
私は、自分が自分を最も厳しく批判するものだと思っています。例えば、何か新しいことに挑戦しようとしているなら、それを終えてから自分自身へのフィードバックを行うのが良いでしょう。良かった点や改善点について考えてください。興味深いのは、あまり親しくない人にフィードバックするほうが楽だという人もいるし、反対に親しい人にフィードバックするほうが良いという人もいるのです。しかし、心理的安全性と信頼がある限りにおいては、良好な基盤はすでに築かれているのだと信じています。
 
とはいえ、私はオンラインでも、お互いをよく知り、透明性を持って、そしてフィードバックを通じて、心理的安全性や人との強いつながりを再構築することはできると思っています。
 

フィードバックのための貴重なツール

フィードバックへの非常に良いアプローチは、「私」から話すことです。これは、Hyper Island TOOLBOXの効果的なフィードバックの原則に基づく方法です。フィードバックは、自分の認識に基づく意見です。知覚の問題であるため、特定の行動が別の行動よりも優れていると一般化する必要はないと思います。フィードバックは私たち自身についてと、私たちがどのように交流したいかについてです。ですから私たちはむしろ、善意で他の人の行動について話すことがどうすれば望ましい結果になるかについて考える必要があります。

フィードバックを提供する前に、「フィードバックがあります。聞いていただけますか?」と言って、意図を明確にすることをお勧めします。なぜなら、フィードバックを受ける側の人が聞きたいかどうかを決める権利があると思うからです。彼らが受け入れるならば、フィードバックを受け取るという意識的な立場にあります。
 
そうすることで、あなたは他の人がフィードバックを受け入れるか、それを手放すかを許容することによって価値を創造することができます。また、人々が心理的に安全に発言し、受け取ることができる環境を作ることができるのです。
 
フィードバックの場面で効果的なツールはこちらの記事にまとめています。あわせてご覧ください。
フィードバックに役立つツール5選【Hyper Island TOOL BOX】
 
※この記事は、MalieLessard-Therrienによる原文https://www.hyperisland.com/blog/how-feedback-can-change-your-lifeを、許可を得て翻訳、編集したものです。

UXデザインやサービスデザイン、デジタルデザインなど、海外のデザイン情報、イベント情報を、分かりやすく紹介します。

RECOMMENDED