ニューノーマル時代における、ビジネスを成長させるアプローチとは?

Hyper Island通信では、北欧発のビジネススクール・Hyper Islandでの学び、リーダーとしてのマインドセットなど、次世代を背負うリーダーの皆さんのために有益な情報を発信していきます。
 
今回は、Hyper IslandアジアパシフィックのマネージングディレクターであるMelanie Cook(メラニー・クック)氏が2020年8月に発表した記事をご紹介いたします。この記事の中でメラニー氏は、コロナ禍におけるニューノーマル時代において、ビジネスを成長させるための’RUN’アプローチを提唱しています。
ぜひ、ご自身の会社やビジネスに置き換えて考えてみてください。

OK!なんとか乗り越えたけれど、次はどうする?


執筆者:Melanie Cook(メラニー・クック)氏/Manager Director of Hyper Island Asia

 
人々の学習意欲と、政府による未来へ向けたの投資のおかげで、私たちは2020年前半、良い業績を上げることができました。ロンドンのインペリアル大学の予測によると、今後もロックダウンを繰り返すことになるでしょう。ビジネスの成長のために、私達は何をしなければならないでしょうか?
 
私は、リニア・タイム(時間という幻想)の思考から抜け出してほしいと思っていました。それは、今は直観的で快適に感じますが、もはや私たちの現実ではないのです。
マッキンゼーが提唱する、Three Horizons of Innovation(イノベーションの3つの地平)は、現在のようなニューノーマルな世界には平坦すぎます。そこで私は、この問いに答えるためのフレームワークとして、イノサイトの、”Big Event Disruption Playbook”に目を向け、”RUN”アプローチを作成しました。
 

”RUN”アプローチ

この戦略における要素は3つあります:
 
1.Rice bowl stream/ライスボウルストリーム:
当面は現金が頼りです。確実に家族の食卓にご飯を並べるためには、同僚の健康が第一です。
 
2. Un-normal stream/アンノーマルストリーム:
これは、6ヶ月から18ヶ月の戦略です。これは私たちの迅速な対応策を意味します。
 
3. Never-normal/ネバ―ノーマル:
5年後の自分たちの姿を想像し、それが現在の自分たちにとって何を意味するのかを考えます。
 
では、詳しく解説していきます。
 

1. ライスボウル

 
ライスボウル
このストリームは、生き残るためのものです。小説「クリスマス・キャロル」に登場するエベネーザ・スクルージのように、ドルやセントが銀行口座に出入りするたびに監視しています。私たちは、正しい方向に向かっているか確認するために、キャッシュの健全性の比率やベンチマークを作成しました。私たちは、オンラインに軸足を移し、より低い直接費で収益を上げるために、チームが一丸となって努力した結果、生き残ることができると確信しています。
 

2. アンノーマル

 

私たちのアンノーマルストリームでは、6~18か月の期間を見ます。
 
我々の出発点は、今後18か月の間にx、y、zが起こったと仮定したとき、Hyper Island APACはどのように見られ、どのように感じ、どのようになるかということです。
ここで私たちは次の6か月~18か月の潜在的な結果について思考を開きます。規制、未来のワークスペース、交流の制限、デジタルへのアクセス、危機の心理的影響、危機の中でやるべきこと、人々の新しい意思決定ポイント、優先順位、パラメーターなど、システム全体について考えます。
 
私たちは自分が立てた仮定に基づいてシナリオを作成し、そして自分たちに問いかけます。
 
1) 人々の安全性、経済的懸念、キャリアへの影響、マクロ経済への信頼感などを考慮すると、人々にとってどんな新しい決定事項が存在するでしょうか?
 
2) これらの結果は、どのように人々や会社の「Jobs to be done=やるべきこと」に影響するでしょうか?
 
3) これらの結果は、現在の製品、サービス、市場、ポジショニングにどのように影響するでしょうか?
 
未来は予測不能ですが、私たちが持つ仮定を表面化することはできます。たとえば、コロナ禍において世界の50%近い労働者が職を失う恐れがあります。これが意味することは、彼らは価格に敏感になり、なおかつスキルアップが必要であり、政府は彼らの生計を守るための支援を継続するということです。
 
想定やシナリオのリストをもとに、人々が私たちを選んでくれるためにはどのような後押しが必要なかを考えます。私たちは何を提供しなければならないでしょうか?形式、時間帯、トピック、規模など、学習体験をどのように変化させればよいでしょうか?
 
このように、近い将来における不確実な状況に備えて、多くの出口を備えた強靭な戦略を立てます。
 

3. ネバ―ノーマル

 

このストリームは、5年後の私たちが何を所有していたいかを決めることについてです。その時の世界はどうなっているのか、その中でのHyper Islandの役割はなんでしょうか?決して簡単なことではありません。私たちは、以下のような多くの質問をし、熟考する必要があります。
 
1) 人々の世界を形作るメガトレンドは何でしょうか?
 
2) 人々がやるべき仕事はなんでしょうか?
 
3) 私たちが提供するモノやサービスはどのようなニーズに対応しているでしょうか?
 
4) 顧客はどのような人たちでしょうか?人口統計、希望と不安、仕事に直結するテクノロジー、ワークライフバランスはどうでしょうか?
 
5) 技術的な奇跡がないと仮定して、私たちはこの未来の人々にどのような影響を与えることができるでしょうか?どうすれば彼らと繋がることができるでしょうか?そのためには、誰と提携する必要があるでしょうか?
 
6) そしてもちろん、最も重要な理由がこれです。我々の共同創業者であるジョナサン・ブリックスは、相互依存と複雑化が進む世界のシステムの中で、縦割りの教育は通用しないと考えました。あなたは今、何を見ていますか?要するに、ネバ―ノーマルの機会とは何でしょうか?
 
上記は、今日の運用に影響を与える質問に繋がります。たとえば、
 
1) どのように運用モデルを変更しますか?
 
2) どのようなビジネスケースを作り、どのような決断をしなければなりませんか?
 
3) 事業のどの部分を加速させ、どこを売却し、どんなイノベーションを構築する必要があるでしょうか?
 

この危機を無駄にするな

第二次世界大戦の後、イギリスのチャーチル元首相は、”この危機を無駄にするな”と言いました。
私は、気候変動による移民問題から、中国とアメリカの冷戦の問題まで、’危機’は次々に訪れるものだと思っています。このような危機は継続的に日常をリセットします。つまり、私たちは決して普通ではない=ネバ―ノーマルな時代に生きるということです。多くの人が不満を抱くでしょう。だからこそ、Hyper Islandが果たすべきポジティブな役割を模索し、挑戦に立ち向かい、共に成長していくことが、私たちの義務なのです。
 
 
※この記事は、メラニー・クック氏による原文:OK, we’ve survived, but what’s next?を、ご本人の許可を得て翻訳、編集したものです。

UXデザインやサービスデザイン、デジタルデザインなど、海外のデザイン情報、イベント情報を、分かりやすく紹介します。

RECOMMENDED