オンラインでの全社会議を設計するヒントとは?便利なツールもご紹介!

全社会議では、全ての従業員が時間を割いて参加することが求められます。それだけ手間やコストがかかる行事である割に、「どんな意義があるか」多くの従業員が疑問をもってしまう例も少なくありません。全社会議を有意義なものにするためには、そんな疑問を解消しておくことが不可欠です。またリモートワークが一般化した昨今では、オンラインで開催するケースも多くなっていることでしょう。その際のポイントを把握しておくことも必要です。
 
この記事では、全社会議を有意義なものにするために、全社会議の概要と意味を振り返った上で、オンラインで開催する際のヒントをご紹介いたします。

全社会議とは

全社会議とは、経営層の取締役から一般の従業員まで、会社を構成する全ての人が参加して行われる会議です。全社会議は基本的に突発的に行われるものではなく、時期を決めて定例的かつ継続的に行うことが求められます。
 
日本語の全社会議に該当する英語は「All Hands Meeting」ですが、これを直訳すると「全ての手を合わせる会合」です。「全ての手を合わせる」という言葉通り、全社会議では特別な理由がない限りは必ず全従業員の参加が求められます。

全社会議を行う目的、意義

従業員全員が参加する全社会議は、企業にとっても大きなコストがかかるイベントといえます。コストを払ってまで行われる全社会議には、どのような目的や意義があるのでしょうか。以下、1つずつみていきましょう。

ビジョンや戦略を共有する

全社会議の最も大きな目的の1つは、「ビジョンや戦略の共有」です。リモートワークが一般的になった昨今では、会社のビジョンや戦略が従業員に伝わりにくくなっているのは否めません。全社会議を行うことで、定期的にビジョン・戦略を共有する機会を作るわけです。従業員が会社のビジョンや戦略を把握すれば、それらに対し自分のポジション・業務がどんな役割をもつか俯瞰できるようにもなります。
 
このように従業員が定期的に自分の役割を見つめ直す機会をもつことで、それぞれの役割が適切に果たされるようになり、生産性の向上も期待できます。

信頼の醸成

 
会社の上層部がもつ情報を従業員と共有することで、経営陣と従業員間の信頼が醸成されます。仮に会社の重要な情報が明らかにされないと、従業員は「会社や自分にとって悪いことが起きているかもしれない」と不安になるものです。
 
反対に会社の情報が適切に共有されることで信頼が醸成され、従業員のパフォーマンスも向上します。これにより社内のコラボレーションや文化も、健全な成長を続けられるようになるのです。

社内での協働を促進する

 
全社会議で普段関わりがない上層部や他部の従業員と交流することによって、社内での協働が促進されます。普段、従業員は同じチームの同僚など特定の従業員以外と交流をもつ機会がないことがほとんどです。
 
リモートワークが進み連携がし辛くなると、その傾向は強まるでしょう。その意味でも、全社会議によって社内の交流を促すのは有効と言えます。

従業員の意見や考えを聞く/アイデアを募る

 
一般的に全社会議では上層部からの情報共有だけでなく、従業員から意見や考えを聞く機会も設けられます。上層部が、普段はあまり聞けない従業員の意見や考えを知ることができるのです。また全社会議では、現場からこそ生まれるようなアイデアを募る場としての役割もあります。

全社会議をオンラインで行う場合のポイント

リモートワークが日常化した企業や日本全国・海外に支社があるような企業では、オンラインで全社会議を行うケースも増えています。Zoom・Googleハングアウト・MS Teamsなど、手軽にオンラインの全社会議を実現できるツールも普及している状況です。

そうした中でオンラインの全社会議を成功させるためには、どのようなポイントに気を付ければよいでしょうか。ここでは、主なポイントをご紹介します。

会議の前に準備のための十分な時間をとる

全社会議の前に、準備のために十分な時間をとることが必要です。全社会議を成功させるためには、MS Teamsで会議の予定を共有したりZoomsリンクを共有したりして、会議が円滑に行われるようにしましょう。

また全社会議を行う前に、出席者が全社会議の目的や意味を理解しておくことも必要です。仮に出席者がそれらを理解していないと、忙しい時間を割いて会議に出席する意味が分からずモチベーションも高まりません。その結果、話を聞かずに別作業をしていたり有効な発言が行われなかったりして、全社会議の意義が失われてしまいます。出席者に全社会議の目的を理解してもらうため、議題が何であるかをあらかじめ共有しておきましょう。
 
またオンライン会議では、全員が通話に参加するまで数分はかかるものです。その時間の余裕をもって、会議のスケジュールをたてる必要があります。
 
※IDOARRT式会議デザイン
IDOARRT式会議デザインは、会議の目的・構造・目標を設定し参加者と共有するためのフレームワークです。このフレームワークを全社会議に適切に活用することで、従業員が目的をきちんと理解してから参加できるようになります。

IDOARRT式会議デザインの詳細は、以下「Hyper Island TOOL BOX」のリンクをご覧ください。
https://hij-toolbox.tds-g.biz/tool/idoarrt-meeting-design/

モデレーターをアサインする

オンライン会議におけるモデレーターとは、簡単に言うと会議の進行役・司会役です。出席者が多い全社会議をスムーズに行うためには、モデレーターをアサインしておくとよいでしょう。
 
通常の会議と異なりオンライン会議でモデレーターは、以下のような役割も期待されます。
 
・Googleドキュメントやスライドのリンクを適切に共有する
・Zoomなどのチャットメッセージを適宜確認する
・参加者からチャットなどで質問を募り、話者に回答を求める
 
オンライン会議では、話者以外にモデレーターがいると上記のような対応をスムーズに行えるようになります。

チェックインの質問で会議を始める

会議における「チェックイン」とは、本題へ入る前に参加者全員が一言ずつ話す時間のことです。チェックインを行うことで参加者が発言しやすい雰囲気になったり、参加者の状況や気持ちを把握して会議を進行しやすくなったりします。
 
またMentimeter※を使ってチェックインを行うことで、参加者の人数が増えてもスピーディにチェックインを進めることが可能です。
 
※Mentimeter
Mentimeterはオンライン会議時にリアルタイムでアンケートを実施・集計し、結果をビジュアル的にわかりやすく表示できる高性能なツールです。Mentimeterを使うことで、Microsoft Forms や Googleフォームを使うよりずっと有効にアンケートを運用できます。Mentimeterの詳細は、以下リンクを参照ください。
 
https://www.mentimeter.com/

スライドは多めに用意する

オンラインの会議で参加者は同じPC画面を見続けることになるため、集中力が切れやすいものです。そこで参加者を退屈させず集中力を保持してもらうためにも、会議中に表示するスライドを多めに用意しておくことをおすすめします。スライドによって画面に変化が生まれるため、参加者も飽きにくくなるというメリットがあります。

ハイパーアイランド流、全社会議の設計方法

ここでは、全社会議におけるハイパーアイランド流の設計方法をご紹介します。
 
なおハイパーアイランドでは、チームのコラボレーションを促進するのに役立つメソッドやアクティビティをまとめた「TOOL BOX」を公開していますので、あわせてご参照ください。
 
https://hij-toolbox.tds-g.biz/

議題と目的/チェックイン

参加者が会議開始前までに、「他の参加者がどこにいるか」「議題が何であるか」を確実に把握できるようにします。オンラインで全社会議をする際は、これらの作業を行うのに十分な準備期間を確保するようにしましょう。
 
具体的にはSlackやMS Teamなど任意のツールを利用し、予定表やZoomリンクの共有、招待状の送付といった作業を行います。また議題の共有には、上記でも紹介した「IDOARRT」※が有効です。IDOARRTを利用することで、シンプルかつ明確に会議の目的・構成を設定し他参加者と共有できます。
 
※IDOARRT式会議デザイン
https://hij-toolbox.tds-g.biz/tool/idoarrt-meeting-design/
 
またチェックインの際に質問を募っておくと、オンライン全社会議をスムーズに開始することが可能です。その際、Mentimeter※で質問を収集しておけば、会議の時間を節約できるのに加え、ビジュアル的にわかりやすく共有できます。
 
※Mentimeter
https://www.mentimeter.com/

CEOによるメッセージ

会社の代表であるCEOから、CEOの視点で会社の目標・財務・マイルストーンなどに関わる情報を共有します。この段階で、CEOが保有する会社の最新情報を共有するわけです。

各拠点(チーム)からの最新情報

CEOに続き各拠点(チーム)の責任者から、それぞれの拠点(チーム)に関する最新情報を共有します。従業員としては、普段は接点のない他拠点・チームの話を聞く絶好の機会になります。

Q&A

Q&Aの時間を設けることによって、従業員がCEOや他拠点・チームの責任者へ直接質問する機会がつくれます。質問は口頭で受け付けてもよいですが、チャット機能を活用するのも有効です。この際、モデレーターが適宜進行やサポートを行いつつ、CEOや拠点・チームの責任者に回答してもらいます。

ブレイクアウトによる議論

 
オンライン会議における「ブレイクアウト(ルーム/セッション)」とは、参加者を小さなグループに分け、議論を進めることです。2~5人程度のチームにわけてブレイクアウトを行うことで、普段は関わりがない他拠点・チームの従業員と接する機会が得られます。また人数を絞ったブレイクアウトによって、内容の濃い議論が実現しやすくなる点もメリットです。

体を動かす

オンラインの全体会議は1時間以上続くことも少なくないため、ずっと座ったままだと長く感じてしまいます。そのため、適宜、立ち上がったり動いたりするのも有効です。参加者に体を動かしてもらうよう促す具体的な方法については、Hyper Island TOOL BOXの「ENEGIZERS」を参考にしてください。

https://hij-toolbox.tds-g.biz/?_sft_category=energizers

チェックアウト

チェックアウトとは、会議の最後に参加者全員が一言ずつコメントを述べることです。チェックアウトを行うことで各参加者が会議を振り返れる上に、会議を締めることができます。ハイパーアイランドのTOOL BOXでは、チェックアウトに有効なメソッドも紹介しているので参考にして下さい。
 
・始まりと終わりの質問
https://hij-toolbox.tds-g.biz/tool/check-in-check-out-questions/

まとめ

全社会議は経営陣から従業員に至るまで、会社を構成する全ての人が参加する定例的な会議です。全社会議を適切に行うことで、ビジョン・戦略を全社員で共有したり信頼を熟成したりすることができます。また全社会議により、従業員のアイデアを聞いたり、社内の協働を促進したりすることも可能です。
 
オンラインの全社会議を成功させるためには、参加者全員が会議の目的や意味を把握することが求められます。またスムーズに開催できるように、予定やZoomリンクの共有など十分な準備が必要です。その際は、既存のツールや構築済のメソッドを活用するのが有効と言えます。

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