イベントレポート TOPP × Microsoft ~Noodlで作るラピッドプロトタイピングとデザイン思考~

デザイン思考の重要性を叫んでいた日本企業はいま、実現をめざすフェーズに差しかかっています。

しかしいざ実現しようと試みるも、従来の開発フローから脱却できずもどかしさを感じている企業が多いのではないでしょうか。

 

スウェーデンのデザイン・イノベーションファームであるTOPPが、プロトタイピングツールNoodlを使用して実践しているデザイン思考に、そのもどかしさから脱却するヒントがあるかもしれません。

 

7月5日「マイクロソフト品川本社」にて、プロトタイピングツールNoodlの開発メンバーのマティアス氏(TOPP)による基調講演「Noodlで作るラピッドプロトタイピングとデザイン思考」をTDSの子会社であるtensorXが開催しました。

参加できなかった方のために講演内容の概要をご紹介します。

 

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デザイン思考を実現する独自メソッド 『Think/Do』

実働プロトタイピングツールNoodlの開発会社であるTOPPは、Noodlを使用して思考⇄実行を高速で繰り返す開発フローを 『Think/Do』というTOPP独自のメソッドとして確立させています。

 

これはデザイン思考を実現に導くアジャイル開発に基づくメソッドですが、それに加え初期段階から実働プロトタイピングツールNoodlを使うことで、新たな気づきやアイデアを生み出すことが可能になります。

TOPPはこの『Think/Do』を信条として実際のクライアントワークを行うことで、真のユーザー中心設計 を実現させているのです。

 

プロトタイプ < “プロトタイピング”

ただここで勘違いしてはいけないのは、「プロトタイプ」というアウトプット自体が持つ価値は小さいということです。それよりも格段に大きな価値を持つのが、ユーザー検証を通して得た気づきやアイデア、生まれたコミュニケーションです。つまり、プロトタイプを作る過程やユーザー検証を含む「プロトタイピング」という行為そのものが最大の価値なのです。

 

職種の壁を超えたスキルブレンディング

アジャイルな開発フローの実現には、マインドだけでなくプロジェクトメンバーのはたらき方も大きく影響します。

TOPPではリサーチャー、デザイナー、エンジニアがすべて同時並行でプロジェクトを進めるのですが、初期段階から実働プロトタイピングツールを使うことで、全プロジェクトメンバーが、同じ体験をした状態で議論を交わすことができます。これにより、職種間で起こる想像や想定の食い違いによる認識のズレというものがなくなります。これだけでもかなりの時間が削減できます。

 

TOPPが初期段階から実働プロトタイピングツールとしてNoodlを使う理由は、プロジェクトメンバー内の合意形成のためでもあります。元々Noodlは、デザイナーとエンジニアを含めた様々な職種の人たちが歩み寄ってプロジェクトを進めるために開発されたツールなのです。

この思想はNoodlのインターフェイスにも顕著に表れています。

こちらの画像を見ていただくと分かるように、データなどのやりとりが光や色で可視化されています。それに加え、デザインデータを取り込み、UIの構築も同時に実現できます。デザイナーでも直感的に構築できるノンプラミング仕様でありながらも、アプローチはエンジニアリング的です。

 

いかにそれが革新的かを体感してもらうために、当日はNoodlを使用した「爆速」デモの実演も行いました。

音声認識によりLEDを点灯するIoTのデモ

 

Q&Aトークセッション

セッションでは、パネラーに小田祥平氏(日本マイクロソフト)をお迎えし、実際に自社のプロジェクトでNoodlを取り入れるときの工夫や、他のプロトタイプツールとの比較などについてもトークしました。

会場からも答えきれないほどの質問があがり、本テーマへの熱の高さを伺えました。

 

時間の都合上、答えきれなかった質問はSlackコミュニティにて返答しています。

質問の他にも、Noodlを触っていて生まれた疑問やトライしてみたプロジェクトなどを投稿するチャンネルもあります。
興味のある方は是非覗いてみてヒントにしてみてください。

 

Slack Noodl-communityはこちら

 

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