【イベントレポート】「Hyper Island オープンコース受講によるキャリア変化とは」

dd postを運営する株式会社TDSは、北欧・スウェーデンに本校を置くデジタル・イノベーション・スクール「Hyper Island」と提携し、2020年11月、Hyper Islandのプログラムを日本人向けにアレンジした初のオープンコースをいよいよスタートさせました。
それに先立ち、「HI オープンコース受講によるキャリア変化とは」と題したオンラインイベントにて、2018年に行われた3日間のオープンコース「Hyper Island 3-Days Master Class Digital Acceleration」の受講者の方2名に、受講の感想や受講後の変化について語っていただきました。その時の模様をご紹介いたします。
 
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受講者レポート Hyper Island 3-Days Master Class Digital Acceleration
 

Hyper Islandとは

1995年にスウェーデンで設立された、社会人向けのデジタル・イノベーション・スクール。
開校以来、デジタルテクノロジーのもたらす変化を教育に取り入れ、25年間にわたり社会人向け教育プログラムの提供や、企業の戦略パートナーとしての活動をしてきました。
ニューヨーク、ロンドン、シンガポールなど世界で7つの教育拠点を立ち上げ、5,000名以上の卒業生を輩出しています。また学校運営を行う一方で、コンサルティング事業も展開しており、約1,200社の企業に対しデジタル化推進の支援を行っています。
 

Hyper Island 3-Days Master Class Digital Accelerationとは

2018年10月に、日本で初めて東京都内で行われた3日間の社会人向けワークショップ。
講師に、創業者の1人であるジョナサン・ブリックス氏を迎え、Hyper Islandの修士課程(Master Degree)のプログラムを3日間に凝縮して行われました。
 

「従業員1名→150名の事業拡大を遂げることができました。」

1人目は、monoAI technology株式会社 セールス&マーケティング部 部長の桑野範久さん。

これまでは主にゲーム会社、テスト会社でマーケティング、営業、新規事業立ち上げをされてきた経歴の持ち主です。
 
まずは、3日間のワークショップを受講しての感想を、
 
「次から次へと新しいことのインプット、アウトプットをしていくので、常に脳みそはフル回転で、とても刺激的でハードな3日間でした。」
「ワークとワークの間などに必ず振り返りの時間が設けられ、参加者同士で感想や学びを共有しあうことができたのはよかったです。」
と振り返ります。
 
様々な学びがあったそうですが、特に印象に残ったワークとして、
・トーストの作り方(Draw Toast)
・ピザ競争(Kanban Pizza Game)
・ミルクシェイク(Jobs to be done)
を挙げられていました。これだけ見ると、どこかのカフェのメニューみたいですね。
 
詳しいワークの内容は割愛しますが、これらのワークを通して得た気づきや学びを、自身の仕事の進め方や習慣に落とし込んでいったそうです。たとえば、
 
・「人によって認識が全然違う。前提を合わせなければダメ」という気づき
コンテクスト、前提の重要性をうるさく言うようになった
 
・「手を動かさず、全体を俯瞰する人が必要」という気づき
常に自分でタスクを抱え込まないようになり、結果的に生産性が上がった
 
・「本当の課題を探ることがとても重要」という気づき
表面的なことだけをみるのではなく本質を探るようになった
 
といったように。
 
「何か頼まれごとをしたときに、なぜそれが必要なのかということを考えたり、営業としてお客様の要望を聞いたときも、本当にそれがやりたいことなのか、実は裏でもっとやりたいことだったり、考えがあるのではないかというところまで考え、ヒアリングするようになりました。」と語る桑野さん。
 
これらは2年経った今でも鮮明に覚えており、大切にし続けていることだそうです。
2年経って、今どうなっているのかについても話していただきました。
 
「2年前はまだ事業立ち上げの時期で、私1人だったのが、現在ではスタッフが150名に拡大。京都、神戸、福岡にも進出し、売上でいうと何十倍も拡大しました。
もちろん、チームメンバーのお陰でもありますが、学んだことを実践し続けた結果も大きいと思っています。」

 

「自分で手を動かしてモノづくりをする”筋トレ”を習慣化できるようになりました」

続いてお話しいただいたのは、外資系IT企業にて営業職に就いている逆井(さかさい)瑞奈さん。

ITベンチャー企業やスタートアップ企業にて、新規事業開発をしてきたキャリアをもつ逆井さん。現在もゲーム事業やエンタテイメント事業をされている会社様向けにクラウドサービスをより利用してもらえるよう日々画策しています。
 
まずは3日間のワークショップ受講時のことを、
 
「経営者の方や、ベンチャーキャピタルの方など、様々なキャリアの方々がいて、そのお話を聞くのも楽しかった思い出があります。」
と振り返る逆井さん。
 
「当時、ゼロ-イチは失敗しながら軌道修正していくしかない状態で。結果が出るまでに半年~2年とかかかるのですが、会社の方針が変わったり、人が辞めてしまったり、別の要因で芽が出ないことも多々あったんです。なので、ゼロ-イチを体系化できるチャンスかもしれないと思って参加しました。」
 
受講後の学びの一つ目として、「『人間関係』に起因しない原因の追及ができるようになった」ことを挙げられていました。
 
実際の現場は役割が細分化されていてなかなか気づけないものの、「モノづくりを30分くらいの間でミニマムで体感できたので、実際の場面でもこのあたりでつまづいているんだろうな、という抽象化がしやすかった」そうです。
 
また、「手を動かしながら学ぶ」ことの大切さも学んだそうです。
 
テッカソンチャレンジという、引いたカードのものを実際に自分で作ってみるというワークでは、逆井さんはECサイトを作ったのだとか。
 
それまでは、開発者でもデザイナーでもないのに、自分が手を動かすことにとても抵抗があったそうですが、実際にやってみたことで、『プレイングしながら流れに乗る感覚』を体感できたそうです。
 
「世の中にはいろんなツールがあるので、組み合わせれば意外とすぐにいろんなモノやサービスができるのですが、そこに1歩踏み出す体感を自分の中で持っているかどうかは大切だなと実感しました。」
 
それ以来、自分でモノづくりをするという筋力作りをしていくことの重要性を実感し、知らない技術やアプリケーションに出会ったときでも、怖がらずに、「とりあえずインストールして使ってみる」「とりあえずドキュメントを読んでみる」ということを筋トレのように実践しているそうです。なるべく自分で触ってみて、モックを作るまでのイメージを持てるようにすることを心がけているということでした。
 
お二人とも、それぞれの学びを日々の仕事や習慣に落とし込み、実践されていることが印象的でした。
これからの活躍がますます楽しみです。
 

いよいよオープンコース開講!オンライン受講でますます重要になるものとは?

続いて、Hyper Islandのシンガポール校の卒業生であり、日本でのオープンコースのラーニングデザイナーも務めるTDSの森杏奈とお二人とのディスカッションへと移りました。
その時の模様をお伝えいたします。

森:「お二人の素敵な体験談と振り返りどうもありがとうございました。印象に残ったアクティビティが2人それぞれだなと感じながら聞いていました。いろいろなアクティビティが3日間の中に凝縮されていたとおり、Hyper Islandでは様々な観点から、様々なレンズを通して総合的に学ぶという組立てになっています
一方で今回開催されるオープンコースは、すべてオンラインで行われます。お二人が行ったワークがオンラインで行われるということに対しては、どんなイメージが湧きますか?」
 
逆井さん:「今はオンラインでもグループワークとかしやすくなっていると思うので、最初のグループの壁を取り払えたら、おもしろいものができるのではないでしょうか。あとはチャットができるので、その場でチャットで感想を言い合えたら結構盛り上がる気がします。」
 
桑野さん:「対面じゃない分、メモ書きを共有できないとか難しくなる面も確かにあると思いますが、面と向かって人と話すのって結構緊張するものだから、逆にディスカッションは活発になるのではないかと思います。」
 
逆井さん:「難しい部分があるとしたら、なんとなくリーダーっぽい人が引っ張っていく傾向があるので、最初に皆で積極的にやりましょうというのをインセンティブつけたほうが進みやすいかもしれませんね」
 
森:「Hyper Islandって、講師が一方的に何かを伝えるのではなくて、参加者同士がディスカッションしてそこから学んでいくというスタイルをとっているので、ブレイクアウトルームで議論を深めるなど、オンラインに向いている面もあれば、逆に参加者の積極度や態度によって学びの質が変わってしまう、そこに依存してしまうという両面があると思っています。
常に一定のクオリティを出すというのがオンラインの設計をしていて難しいと感じるところではあります。
やはり、参加者の方の、『これを持ち帰りたい』という姿勢がとても重要ですよね。」
 

Hyper Islandの学びが向いている人は?

森:「Hyper の学びってどんな人に向いていると思いますか?」
 
桑野さん:「どの層にも刺さると思いますが、モチベーションが高い人自分を成長させたい人にはより向いていると思います。もしかすると、会社から言われて来る人もいるかもしれませんが、そういう人でも、楽しいので、絶対何か持ち帰れると思います。やってて楽しいっていうのはやはり重要ですよね。
あとは目線を広げたい人キャリアアップしたい人には絶対にいいと思います。」
 
逆井さん:「新しいサービスを世の中に提供する流れを知りたい人でしょうか。」
 
桑野さん:「新規事業をやったことがない人でも、基本的な発想の仕方とか、ミニマムで体験できるので、いいかもしれないですね。」
 
森:「そういう意味では、キャリアとか今までの職歴とかはあまり関係なさそうですね。」
 
桑野さん:「そうですね。実際にスタートアップの社長さんとか、大手企業の社員の方もいらっしゃいましたし、キャリアとか職種とか関係なく、仕事をする上でその人にとって必要なものが学べると思います。提供するものは同じですが、受け取る側によって変わってくると思います。」
 
逆井さん:「もしかすると何かの本に書いてあるようなことかもしれませんが、それを実際に体験している人って少ないと思うんです。額面だけとらえてそれ知ってるよっていう人よりも、初心にかえって一緒に発見をしたいっていうマインドセットを揃えた方が、お互いリスペクトしあって、素直な感想を言い合えるのではないかと思います。」
 

Hyper Island受講後の周囲との関わり方は?

森:「お二人とも、目線が上がった、視野が広がった話をされていましたが、自分が上がった目線と、社内の人やチームメンバーとの目線のずれ、見ているものが違ったりすることがあると思うのですが、そのあたりについて(付き合い方とか)はどうしていますか?思うことはありますか?」
 
桑野さん:「同じ目線ではない人に対しては、どうやって合わせていこうというのは考えています。何かをすすめるときにももう少し温まってから言おうとか。情報を出すタイミングもいきなり熱いものを出すと火傷しちゃうので、もう少し慣れてからにしようとか、コントロールをするようになりました。でもそれってその人がどうとかではなく、知っているか知らないかの違いだと思います。だからHyper Islandの学びを会社に持ち帰ってやったりもしましたね。」
 
逆井さん:「私は受講後わりとすぐに外資系IT企業に転職したのですが、そこまで周囲との大きな壁はなかったです。ただ一つ発見だったのは、大手のテック企業の中であっても、変革に対して体系的なフォーマットを持っている人ってそんなにいないんだなということです。どんなサービスやツールでも10年経つと古くなるので、こういう形で初心から学べる機会があるといいのではないかと思いました。」
 
森:「ツールとかフレームとかの棚卸しの機会と、それらに立ち向かうときのマインドセットのリセットが必要になってくる。それが必要になってくるのは個人によって違う、ということですよね。
 
私自身もシンガポールでマスターコースをとった時に、集まってきている人たちはいろんな役職や業種の方々がいたのですが、やはりそれぞれが何かの節目のタイミングで学びに来ている人が多いという印象でした。一緒にマインドセットを整えたり、新しいツールやメソッドを吸収してそれをどう活用しようかという議論をずっと繰り返していたのですが、気づくと、それを持ち帰ったときに同じ目線で語れる人がいないっていうのはよくあったんですね。一緒に学んだ仲間も、転職した人も結構いるのですが、ポジションをどこに見出そうかとか、周りとの調和が難しいといっている方もいますね。」
 
逆井さん:「新しいことをするときに、ビジネスの座組みを作るところから発想してやりたいのですが、なかなかディスカッションできる人がいなくて孤独を感じることはあります。絵の話をしたいのに、部品の話しかできなかったり。」
 
森:「ちょっと未来やちょっと先を見据えた話を常に考えていたいですよね。そういう議論をずっと続けていける環境そのものが欲しいですよね」
 
桑野さん:「ゲーム業界ってわりと先に進んでいる業界で、そういう環境にあるはずなのですが、それでもそう思います。もっと大きい会社さんだと、自分の部門のことしか知らないということもあるんじゃないかと思います。ただそういう方にとっても、Hyper Islandを受講することで、プチ全体体験ができるので、いいのではないでしょうか。モノを生み出す仕組みも疑似体験できますし。」
 
森:「おっしゃる通りです。今日このお話を聞いている方も、これからHyper Islandのオープンコースを受講する方も、きっと同じことを考えたり共有できる仲間になっていくと思います。
 
本日はありがとうございました!」
 

Hyper Island バーチャルオープンコースお申込み受付中!

Hyper Islandは、現在、すべて日本語で提供されるオンラインでのオープンコースを開講中です。

今回提供する3つのプログラムは、それぞれ2日間のリモート参加型集中コース。
プログラムによってはまだお申込みを受け付けております。

 
くわしくはこちらをご覧ください。
https://www.tds-g.co.jp/hi_opencourse2020/

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